「秋の栗駒と八幡平」  2024.10                        よかったところ」topへ topへ

   

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2024年の秋は、あまり歩かないで(少しは歩いて)岩手秋田の県境付近で紅葉を楽しみます。

 行きは一関ではなく、奥州市の胆沢ダム経由で須川高原に向かいます。日中は見学コーナーが開いているのでお客さんが結構やってきます。カモシカのキャラクターがいました。本物はもちろんこんなにかわいくありません。
 震災遺構の近くに出て須川高原へのクネクネ国道を進みます。紅葉シーズンは一番車も混雑するので、夕刻に着くように向かいましたが、何度か先頭のバスが後退しそうになったりしながら進みます。峠にある駐車場は少しだけ空きがありましたが、まだ路上駐車がたくさん残っていました。
 
 いつもの賽の河原までの散策に出かけます。足湯の場所もいつもどおり熱くて数秒しかいれられません。
 (この記入時点で、須川温泉も冬季休業に入りました)
 五分も歩くと蒸し風呂の小屋があります。個室が4つくらいあって、中に寝そべって蒸気浴ができます。下の写真のレンガを取ると、φ100くらいのパイプからやけどしない程度の蒸気が立ち上ってきます。それを治したいあたりに当ててしばらく楽しみます。
 昔はもう1棟あって、ござを抱えて通う人をみかけましたが、この頃は実際に湯治している人はみません。少しだけ真似をして、先に向かいます。
 色づいた木々の間を縫って名残が原に向かいます。北方には焼石連峰が望まれます。
 名残が原の木道は片側だけ布設替えが済んでいました。もう16時を回った夕刻なので、山から下りてくる人たちに時々会いますがさほど混んではいません。 ゆげ山もいつもどおり湯けむりを上げています。
 剣山の麓の賽の河原にやってきました。小さな池塘もあります。
 間もなく日没で、横方向からの陽ざしに照らされた山肌がきれいです。この山並みの向こうには龍泉が原がありますが、現在立入禁止です。
 駐車場に戻ると、栗駒山頂の上に月がかかっていました。西方の鳥海山もきれいに輪郭が見えます。この日と翌日も晴れて夕焼けが楽しめました。
 紅葉時期の須川高原はものすごい車と登山者で混雑します。翌朝には路上駐車の長い列が出来ていました。混雑しているだけで、私的には価値が激減しますので、早々に秋田側へ下って行きます。
 小安峡温泉で、以前日中以外に入れる所を探しましたが見つかりませんでした。でもよく調べたら観光案内所の向かいにあるようです。今度はいるときにはこちらにします。
 小安峡の遊歩道を周回します。少し前に水害があって、遊歩道の高さまで水が来た跡がありました。いつも杖は使わないのですが、来るたびに階段のイッキ登りがキツクなってきます。
 冬には到達できなくなる、泥湯温泉の奥にある川原毛(地獄)に来ました。
 以前は何度か頂上までの遊歩道を歩いたのですが、最近は「有害ガス」という理由で立入禁止になっています。泥湯温泉の近くでも何年か前にガス事故が起きていますので、やむを得ないのかもしれませんが、安易に閉鎖を続けることが無いように願いたいものです。
 右下写真の道を下って行くと、川原毛大湯滝に至ります。往復1時間くらいかかり、以前には往復したこともあります。現時点で近道の駐車場に至る道が災害で通行止めになっているため、湯滝にはこの道経由しかありません。
 秋田の内陸を北上して、昼食の後立ち寄ったのは抱返り渓谷です。遊歩道をしばらく歩いてゆきます。
 取水堰の下流なのであまり水量は多くありませんが、その分波立ちが少なく、水の青緑が映えます。
 高所の歩道から見下ろした水面をよく見ると、たくさんの大きめの魚(ニジマス系)が泳いでいました。投げ釣りが出来なくもなさそうです。
 次に目指すポイントは八幡平頂上ホテル(見返り峠での車中泊)です。この日のお風呂は最近なじみになった「八幡平ふれあいやすらぎ温泉センターゆらら」です。夕刻なので他の温泉への日帰り入浴は既に受付時刻を過ぎていて利用出来ませんが、こちらは受付17:30まで可能です。(入浴は18時まで)
 色づき始めた木立を眺めながら露天風呂にゆったり浸かります。
 お風呂・温泉に浸かる目的は各種ありますが、大きく分けると観光地で風呂の雰囲気を味わうことと、体を清潔に保つことではないでしょうか。後生掛・玉川・大深・蒸の湯などは、前者の目的にふさわしいところです。 こちらの「ゆらら」は木造や濁ったお湯ではなく、前者の目的には物足りませんが、大きな窓や露天風呂から外を眺めながら、後者の目的を達成するには最適です。ホールには身体測定機器や周辺の自然を案内する資料やアイスの自動販売機などもあります。昼には食堂が利用できます。
 アスピーテラインを、夕日に追い立てられるように上って行くと日没を(又は流星群?)撮影する人たちがたくさんいます。
 こちらのホテル(前記参照)は、夕刻に地平線(水平線?)に沈む夕日を見送った後、翌朝には反対方向の地平線から登る朝日を拝むことが出来る、国内でもまれな場所です。ただし夏期には日の出は少し北寄りの稜線からになります。この時期(10月)は北上高地の向こうの水平線から登ってきます。

 左上写真の山は遠方から、森吉山、秋田焼山です。
 朝日や夕日は肉眼では真っ赤に見えますが、デジカメだと白っぽく映ります。
 日の出と日没は、海辺から見た場合に水平線への出入りがきれいに見えることが多いです。しかし高所から見た水平線は、多少の雲があるのが普通なので、海岸まで100km以上離れていてその向こうの水平線まで見られたことはありません。
 右の写真からは日の出の様子です。
 
 上の写真では、右端が岩手一の高峰 岩手山です。左は茶臼岳です。茶臼岳の陰には安比高原の前森山に続く山並みがあります。この前森山から八幡平を経由して岩手山の麓に至る50kmトレイルが何年か前に設定されています。概ねは区間ごとに区切ってですが歩いたことがあります。
 左写真では裏岩手縦走路を構成する山並みの向こうに鳥海山まで望まれます。
 日が高くなるにつれ、昼白色の世界になって行き、シルエットだけだった地形がよくわかるようになります。
 右写真は「八幡平頂上ホテル」の全景です。左端のフェンスの下には樹海ラインが通っていてそのさらに左には秋田側の大型車駐車場があります。
 「ホテル」にはトイレが必要ですが、レストハウス営業時間外は使えないことが年度によってあります。右奥に24時間トイレがありますが24年時点で老朽化のため閉鎖のようです。24年度当初管理部署にこの窮状を連絡したところ、10月時点で仮設の工事用トイレが設置されていました。
 アスピーテラインを下って行くと、岩手山の向こうに北上高地一の高峰 早池峰山が見えて来ます。
 裏岩手連峰の山並みの合間から見えるのは秋田駒ケ岳(左下写真)やモッコ岳です。
 展望ポイントの源太岩です。八幡平周辺にある源太のつく地名、源太森 源太ヶ岳 源太清水 等とならんで、故事に由来するものと思われます。
 御在所温泉が昔あった、地熱発電所向かいの広場で朝食にします。見返り峠のトイレ利用可否が不明の場合には、こちらで利用してから向かうのが必須です。
 以前こちらには「八幡平スキー場」があって、滑走可能期間が長いのと、茶臼岳経由で八幡平方面への冬山登山基地として活躍していました。今は索道も無く、スロープに低木が生え始めています。ここから次に向かう五色沼の辺りまで望めて、リフト乗り場はその下の方にあったのでした。
 小高くなった東屋があって、五色沼と御在所沼の両方を見渡すことが出来ます。
 五色ではないにしても、季節や諸条件によって色が変わるようです。何度か来ていますが、ここから坂を上ってさっきの地熱発電所の辺りまでは、歩道木道がありますが、まだ通ったことがありません(冬期にスキーで滑ったことはあります)。

 今回も各所を行きあたりばったりで目的地をを変えながらいろんなところをめぐることが出来ました。また次の春に野山を回れるといいです。